ルドルフ・シュタイナー
アントロポゾフィーのこころのこよみ
目次
初版への前書き 1912/13年
初版への前書き 1918年
春 FRÜHLING
夏 SOMMER
秋 HERPST
冬 WINTER
言語造形家 鈴木一博氏による、ルドルフ・シュタイナーの「アントロポゾフィーのこころのこよみ」の翻訳。
ひとつ一つのこよみに対して、丁寧な注釈が付いています。
この『こよみ』のことば(オリジナル・テキスト)は、ほとんどがふだんに用いられているものですが、ことばの「つくりGestalt」は、この『こよみ』ならではです。それはわけても二つ、三つの語を合わせて一つにしていることに、あらわに見てとれるでしょう。そして、この「コメント」では、その合わさり、結びを引き立て、またほどき、離すことをしています。なお、語義や語源は日独のポピュラーな辞書を参考にしています。
しかしまた、この『こよみ』のことばは、第一週のことばの一行目からWenn aus den Weltenweitenで、wが頭韻風に連なり、eの重なりで声の調べが整い、リズムはアイアンブ(短長格)ですし、さらに語の強弱、行の抑揚やテンポ、文の構えなども、それなりにものをいっています。すなわち、この『こよみ』がまさにこよみたりうるのは、作者とともに読む人、呼ぶ人が、それらの要素を生かしてこそです。ついでに「こよみ」の「よみ」は「読み、呼び」だそうです。ただ、この訳ではやむなく、まずはいちいちの語を逐(お)って引き立てることに意を用いています。よって「読む、呼ぶ」「語る、語らう」に向けては、参考資料のようなものでしかありません。